ポケダン(探検隊)チーム『シノギリハ』・『マシュマロ』・『ひだまり』・『カクテル』のネタを殴り書くそんなブログ。
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千鳥 対 影千鳥
*****
「埒が明きませんね……」
「ええ、そうね」
一定の距離を保ちながら、一対は会話する。
「……このままでは状況は変わらない、そう思いませんか?」
「ええ、思ってますよ」
「そうですか――」
双方目を瞑り、一拍の間を置いて開くと同時に言葉を紡ぐ
『では』
『決着をつけましょう、もう一人の“私”』
考えていた事が同じだったのか、一対の存在は同時に構え、姿を変え対峙した。
ガッと手四つで互いの力が比べられていく。ギリギリと力が拮抗する音がすると影は蹴りを入れようと足を出す。本体は気配に気付き手を離して蹴りを回避すると、仕返しとばかりに影へ殴りかかった。
ガッ、ゴッと鈍い打撃音が空気に溶ける。
「――ねぇ」
暫くすると、影が攻撃の手を緩めないまま口を開く。
「やり直したいとは、思わないの?」
「……どういうことでしょうか」
「だって、やり直せるなら。“私”の人生も変えられるかもしれないのよ?」
「主を見つけて主の下に仕え暮らしているのかもしれない、自警団と関わりのない環境にいたのかもしれない。そうすれば」
「あの男に手篭めにされることもなかったのに」
本体の身体が一瞬だけビクリと反応を示す。
「まだ覚えているのでしょう? あの男にされた仕打ちの数々を。乱暴にされた時の痛みを、ただされるがままになっていた屈辱を、ほしいままに欲を満たしていったあの男への憎悪を!」
脳裏に浮かぶのは、自分を犯した男の姿。
「……やり直せば、それすらも無かった事に出来るのかもしれないのよ?」
蘇る、「尋問」と称された乱暴の記憶。
「……」
「清らかな身体のまま、主に尽くす事が出来るのかもしれないのよ?」
「……そうね」
「確かに、やり直すことが出来たなら、そんな私もいたのでしょう」本体の反応に影は笑みを浮かべる。
「でしょう? だから――」
影の握る拳に力が篭る。
「早く“私”に倒されて、世界をやり直すのに貢献しましょうよ」
歪んだ笑みを浮かべたと同時に漆黒の巨大な拳が放たれる。
拳を向けられた本体の動きは止まっており、このままでは腹に命中すると思われた。
影の口元が笑みを浮かべ続ける。
ガシ、と白く巨大な手が漆黒の拳を受け止める。
「……何で……?」
影の表情に動揺が宿っていく。本体の表情に迷いは無く、漆黒の拳を振り払った。
「【吾身超克】」
紡がれるのは一つの名称。
「加賀見の一族の中で素養がある者にのみ伝えられる忍術。今まで私はこれを完全なものに出来ていませんでした。というのも、私には【吾身超克】を行使するにあたり、足りないものがあったからです」
「絆」
「原点となるのは、主との信頼関係でしょうが。この術は絆……他者を想う力によって維持できる時間が変化するようです」
「……?」
「貴方の言うままに貴方に倒され、世界をやり直せれば確かに清らかな身体のまま主に仕えることも出来ましょう」
「ですが」本体は続ける。
「やり直されるということは、私が今まで得た絆、縁も全て無かった事にされる。自警団の皆様、今まで出会った異国の者、そして」
本体は自身の左胸に右手を当てる。
「我が主との邂逅も、縁も、事実も、全て」
「『我が主』……? 待って、“私”には主はいないはずよ……?」
「! まさか……」何かを察したのか、影が動揺の感情を抱いたまま本体の顔を見る。
「ありえない……ありえないわ……っ! 貴方、正気なの?! あんなのどうせ気まぐれに発した言葉に過ぎないわ……!!」
「それでも」
「――さようなら、もう一人の“私”」
***********************************
心は認めた、魂が決めた、己の主のその名前は
千鳥、【吾身超克(メガシンカ)】を完全にものにし、己の影を打ち破る
彼女は吾身超克を行使した状態のまま、やりのはしらを目指します
「ええ、そうね」
一定の距離を保ちながら、一対は会話する。
「……このままでは状況は変わらない、そう思いませんか?」
「ええ、思ってますよ」
「そうですか――」
双方目を瞑り、一拍の間を置いて開くと同時に言葉を紡ぐ
『では』
『決着をつけましょう、もう一人の“私”』
考えていた事が同じだったのか、一対の存在は同時に構え、姿を変え対峙した。
ガッと手四つで互いの力が比べられていく。ギリギリと力が拮抗する音がすると影は蹴りを入れようと足を出す。本体は気配に気付き手を離して蹴りを回避すると、仕返しとばかりに影へ殴りかかった。
ガッ、ゴッと鈍い打撃音が空気に溶ける。
「――ねぇ」
暫くすると、影が攻撃の手を緩めないまま口を開く。
「やり直したいとは、思わないの?」
「……どういうことでしょうか」
「だって、やり直せるなら。“私”の人生も変えられるかもしれないのよ?」
「主を見つけて主の下に仕え暮らしているのかもしれない、自警団と関わりのない環境にいたのかもしれない。そうすれば」
「あの男に手篭めにされることもなかったのに」
本体の身体が一瞬だけビクリと反応を示す。
「まだ覚えているのでしょう? あの男にされた仕打ちの数々を。乱暴にされた時の痛みを、ただされるがままになっていた屈辱を、ほしいままに欲を満たしていったあの男への憎悪を!」
脳裏に浮かぶのは、自分を犯した男の姿。
「……やり直せば、それすらも無かった事に出来るのかもしれないのよ?」
蘇る、「尋問」と称された乱暴の記憶。
「……」
「清らかな身体のまま、主に尽くす事が出来るのかもしれないのよ?」
「……そうね」
「確かに、やり直すことが出来たなら、そんな私もいたのでしょう」本体の反応に影は笑みを浮かべる。
「でしょう? だから――」
影の握る拳に力が篭る。
「早く“私”に倒されて、世界をやり直すのに貢献しましょうよ」
歪んだ笑みを浮かべたと同時に漆黒の巨大な拳が放たれる。
拳を向けられた本体の動きは止まっており、このままでは腹に命中すると思われた。
影の口元が笑みを浮かべ続ける。
ガシ、と白く巨大な手が漆黒の拳を受け止める。
「……何で……?」
影の表情に動揺が宿っていく。本体の表情に迷いは無く、漆黒の拳を振り払った。
「【吾身超克】」
紡がれるのは一つの名称。
「加賀見の一族の中で素養がある者にのみ伝えられる忍術。今まで私はこれを完全なものに出来ていませんでした。というのも、私には【吾身超克】を行使するにあたり、足りないものがあったからです」
「絆」
「原点となるのは、主との信頼関係でしょうが。この術は絆……他者を想う力によって維持できる時間が変化するようです」
「……?」
「貴方の言うままに貴方に倒され、世界をやり直せれば確かに清らかな身体のまま主に仕えることも出来ましょう」
「ですが」本体は続ける。
「やり直されるということは、私が今まで得た絆、縁も全て無かった事にされる。自警団の皆様、今まで出会った異国の者、そして」
本体は自身の左胸に右手を当てる。
「我が主との邂逅も、縁も、事実も、全て」
「『我が主』……? 待って、“私”には主はいないはずよ……?」
「! まさか……」何かを察したのか、影が動揺の感情を抱いたまま本体の顔を見る。
「ありえない……ありえないわ……っ! 貴方、正気なの?! あんなのどうせ気まぐれに発した言葉に過ぎないわ……!!」
「それでも」
「――さようなら、もう一人の“私”」
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プロフィール
HN:
小慶美(シャオチンメイ)
年齢:
34
HP:
性別:
女性
誕生日:
1990/03/09
職業:
一応学生
趣味:
色々
自己紹介:
幼い頃からの任●堂っ子。
闇の探検隊をプレイ中。
擬人化リクエストは消化しきれない。
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