【第四回戦】無残の哄笑【謝肉祭前夜祭】 2014/05/18_Sun_23:25

下衆を描く時のテンションの不思議さよ

　とあるトージョウの侍がテンガン山の中腹で行方をくらました。
　彼の友人である侍は心配に思い、山の中を歩き回った。

　しばらくして、行方をくらましていた侍が戻ってきた。姿を消して４時間ほど後の事だ。
　友人は安堵の笑みを浮かべて侍を出迎えるが、侍は「すまない」と、彼に刃を向けた。
　突然の事で友人は戸惑った。「何でだ」「どうしてだ」と言っても侍は答えなかった。
　ただ、ボロボロと涙を流しながら、悲痛な声を上げながら友人に攻撃を続けるだけだった。

　その叫びも長くは続かなかった。
　パン、と乾いた音がしたと同時に侍は倒れた。侍の周りの雪は、白から赤へと変わっていく。
　もう一度乾いた音がしたと思ったら、今度は友人も倒れていた。
「何が」
　起きた、その一言を言い切る事が出来ないまま。

　とある洞穴で哄笑が響いた。
　洞穴にいた軍人は通信機越しに聞こえた侍の悲痛な叫びを、友人の動揺の声を、乾く響いた銃声を、二人の侍の“死”の音を。
　ただただ、嘲笑っていた。

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　モブのトージョウ民を脅して別のトージョウ民にけしかけ、互いに苦悩の表情を浮かべながら戦っている所を部下の狙撃手に狙い打たせた下衆な軍人の話でした。
　ダメだ早くコイツどうにかしないと……。