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ポケダン(探検隊)チーム『シノギリハ』・『マシュマロ』・『ひだまり』・『カクテル』のネタを殴り書くそんなブログ。
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蝕まれる
心も、身体も

桐谷の話



 *****
 ニコラスさんから(珍しく)食事に誘われた。
 彼と数名で行われた会食も終わり、屋敷に帰るため車に乗ろうとした所。僕は襲撃に遭った。
 襲撃者の数は5~6名、全員“嫌悪”のもやを滲み出している。何名かはSP達によって取り押さえられたものの、男一人此方まで接近してきて頬を殴打してきた。カシャンと眼鏡がアスファルトに接触した音が鼓膜に伝わる。
 地面に身体を叩きつけられ、ただの暴力が始まるのだろうか。ぼんやりとした思考回路の中、自分の顔面に照準を合わせた男の拳が急に止まった。
「――あれ?」
 それは見た事ある反応。
 さっきまでの“感情”が消え去ったかのような、生者とは言いにくい瞳。
 見た事ある反応。
 しかし、今後見れないと思っていた反応。
(何、で……?)

 何でこの男は、“人形”になっている?

「……ッ『拳を解いて、大人しく しなさい』」
 恐る恐る、“力”を使ってみる。すると男は固めていた拳を解き、ダラリと下げた。
 間違いない、男は“人形”になっている。でも、私は今男の顔が見えていないのに。何故――
「君……?」
 僕自身も呆然としている中、通りすがりの女性が一つの名前を呼ぶ。手荷物と推測される鞄をバサリと落として、顔を蒼褪めながら。
 彼女は男の知り合いなのだろうか、何度も彼の名前と思しき“”という単語を口に出す。どれだけ名前を呼ばれても反応を示さない“人形”に対して、最後には「あ゛ぁああぁぁぁああああああッ!!!」と狂ったような悲鳴を上げる。その声に思わず私は耳を塞いだ。
「……貴方がやったの?」
 叫び終えると、女性は僕の方に視線を向ける。黒いもやが視野に広がり、彼女の“嫌悪”が僕の視界に表現される。
 もやで彼女の顔が隠れる。まるであの時の両親のように。
 彼女は僕の返答を待つ事無く、一つの言葉を述べる。

「――お前を“呪って”やるッ!!!」

 「呪ってやる」か。嗚呼、何てシンプルな一言なんだろうか。
 気が付けば僕は一人の男の背後に立っていた。
(――え?)
 その男の正体が何なのかを察した僕の顔は蒼褪める。
 本来ならば見える事なんて無い背中。
 桐谷硲、僕の身体であった。
 ハッと自分を見れば、手が、服が、透けているのだろうか。アスファルトの灰色をわずかに映す。
『良かった』
 石谷が嬉しそうな語調で話す。
『このくだらない“人形遊び”を、君が止めてくれるんだね?』
 もぞりと、“僕”が動き出す。
『“聖人”』
 彼の口から出たのは、僕がもっとも憎しみを覚えた男の名前。
 動き出した“僕”は、僕を見て笑みを浮かべていた。

******************************
5月17日 桐谷硲、【人形】の暴走を知り【隔離】の呪いを得る

※後からこの日が桐谷の誕生日だという事を思い出してマジですまんと感じた。しかし後悔はしてない
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年齢:
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女性
誕生日:
1990/03/09
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一応学生
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色々
自己紹介:
幼い頃からの任●堂っ子。
闇の探検隊をプレイ中。
擬人化リクエストは消化しきれない。
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