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ポケダン(探検隊)チーム『シノギリハ』・『マシュマロ』・『ひだまり』・『カクテル』のネタを殴り書くそんなブログ。
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CEOが多分メイン



 *****
 12月10日 午後14時19分
「……私に、貴校で行われる特別講習の講師をお願いしたいと?」
「はい!」
 桐谷コンツェルン本社に、何のアポもとらずにやってきた男(高校教師と名乗っていた)は、通した応接室の中で、私・桐谷硲にそんな話を持ちかけてきた。
 聞けば、男が勤める高校では毎年進路ガイダンスの一環として、特別講師を招いた講習会を行っているとの事。翌年に開催される予定である講習の特別講師として、歳若くCEOに就任した私を起用したいというものだった。
 彼が取ってきた行動の数々を考えれば当然答えは「No」。正直私自身、今後数ヶ月のスケジュールにおける空きは片手の指で数えれる程度。このような失礼で常識に欠けた人物を採用している学校の行事に参加するくらいならば別の仕事を入れた方が良いだろう。
 だが、自分の口から出た返事は
「わかりました。その講習、講師として参加いたしましょう」
 肯定と取れる内容のものであった。


 1月28日 午前0時23分
「……で、コイツの暗殺をしろって?」
 深夜の高層ビル。ビオスシティの夜景を一望出来るこの室内で、黒を基調としたスーツに身を包んだ少年は言葉を紡ぐ。それに対し、彼の向かいに座る50代の男性は「そうだ」と返した。
「殺してくれる事が一番の理想だが、最悪負傷……特に彼の視力に影響を及ぼすものであるならば、報酬を予定の金額より色をつけよう」
「――視力を?」
 「ああ」男は肯定の返事をする。少年は焼き鳥をかじりながら、男に渡された写真を今一度確認する。
「コイツって結構有名な奴だよな? そんな奴の暗殺を依頼するって……コイツ何やったんだ??」
「君は知らなくていい。ただ一つ、ヤツが相当な悪党であることを覚えてくれればいいよ」
「ふーん……」
 興味のないトーンで、少年は男の言葉に相槌を打つ。
「期待していますよ、“鷹の目”」
 “鷹の目”と呼ばれた少年の手にある写真。そこに写っているのは、一人の青年の姿であった。


 2月13日 午後13時
『……何でこんな仕事請けたのさ?』
 とある高校の男子トイレ。
 授業中なのか、校舎の端にあるからか人気を感じない空間に桐谷硲は佇んでいた。両手に流水を当て、洗剤を泡立てている中、桐谷と同質の声がボソボソと話す。
「何、単なる好奇心ですよ」
『“好奇心”……?』
 まるで一人二役と言えるほどに同じ声の会話が続く。だが、この空間に佇んでいるのは桐谷ただ一人。それ以外に確認出来る人物はいない。
「よく考えたら僕、高校というものに行った事がありませんでしたからね。飛び級で一気に大学まで行ったものですから。……まぁ、小学校も中学校も行った事ありませんでしたけど。」
 桐谷が喋る中、景色に違和感が見られる。桐谷が口を動かしているのに、鏡に映る彼の姿は微動だにしない。本来ならば、同じように動いてなければならないはずなのに。
『……だから、この仕事を請けたと?』
 鏡に映る桐谷が今度は言葉を発する、彼と同じ声で。桐谷にある“呪い”の相棒が、陰のある表情のまま桐谷を見つめると、桐谷はいつもの笑みを浮かべて肯定する。
「ひょっとしたら我が社に貢献してくれる優秀な人材が発掘出来るかもしれませんしね。」
 「なら」身支度を整えながら桐谷は言う。
「早い段階で“品定め”を行っても、問題ないでしょう?」
 彼が立ち去る寸前に『……無駄なのに』と、相棒は何かを諦めたように息を吐いた。


「それでは本日の講師をしてくださる、桐谷コンツェルンの若きCEO……桐谷硲さんです」
 教員の進行を合図にして、拍手の音と共に桐谷は講堂の壇上に上がる。
 そんな彼の様子を見つめる存在が、屋上にて確認された。
 銀の髪は一つにまとめられ、落ち着いた色彩の学生服に身を包んだ少年は、静かに手早く、あるものを組み立てていく。組み立てられ形として確認されたソレは、学生服に対して明らかに浮いてしまう代物。

 ――ライフル。

 鈍い光を反射しているそれはピタリと土台に固定され、ゆっくりと狙いを定めていく。銃口の先に存在するのは、桐谷硲ただ一人。
「学校に侵入して校内で狙撃とか性に合わねぇんだけどな……」
 スコープを取り付け、少年は改めて狙いを定める。
(視力に影響を与えるケガを銃(コイツ)でやるのは難しいが……)
 少年は引き鉄に指を添えながら考える。
(ま、やれる事をやっていくか)
 カチリと、引き鉄が引かれた。


 講演も終盤に差し掛かり、生徒や教員からの質問に答えている最中、ガラスが割れる音と同時に、己の右脚に激痛が走る。床にわずかな皹が入り、スラックスは自身の血液でジワジワと赤に染まりながら床にも血の池が作られ始める。
 生徒の悲鳴が講堂に響き渡る。
「私の事よりも先に生徒の方を!」
 右脚を抱えうずくまりながら放った私の言葉で教員も正気に戻り、生徒の避難を執り行う。
 SPを自分の元に呼び寄せていた中、避難とは違う方向へ足を進める生徒が一人。私の元へと近寄る。
「      」


 己の意識はその辺りで混濁していた。
 後日、私はその女子生徒に目を切りつけられたという事を警察の者から聞かされた。その少女は過去私が取引した会社の要職に就いていた人物の娘であるらしく、その取引により職を辞さねばならなくなった件を逆恨みしていたのだそうだ。
 そんな話も、私はぼうっとした思考のままただ聞いているだけ。
 右脚は何者かによる狙撃と推測されたが、犯人は未だに不明のまま。

 この講習を境に、私は右脚に不具合が発生し

 自身の視力も、少女の襲撃によって影響が現れた。

******************************
 2月13日
 桐谷、ある高校の特別講習で講師として呼ばれる。
 講習も終盤に差し掛かろうとする所で何者かに狙撃され、右脚を負傷。
 その騒動の最中、講習に参加していた女子生徒がナイフを手に襲い掛かり、目を切りつけられる。
 目の傷は視力に影響を与え、以降、裸眼では物が若干見づらくなった。
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幼い頃からの任●堂っ子。
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