ポケダン(探検隊)チーム『シノギリハ』・『マシュマロ』・『ひだまり』・『カクテル』のネタを殴り書くそんなブログ。
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カイレンの話
*****
日も完全に沈み広がる空も黒・黒・黒。
寒々しい気候の下、モノクロの装束を身にまとった青年が教会から姿を現した。灰の髪は長く一つに結われ、鋭い赤の双眸がその景色に激しい違和感を与えていく。
『本当にただ入って適当に佇んで出て行くだけですね、貴方。』
そう言って彼の後ろを追従する子供が一人。黒の神官服に身を包んだ子供は、どことなく青年の面影がある顔立ちをしている。
子供の発言に舌打ちをしながら、青年・カイレンは言う。
「……うっさい黙れ、実際あんなの信じてないんだからしょうがねぇだろ。」
『む、本当に罰当たりな人ですね。そんなんだから“罰”を与えられるのですよ』
「言ってろ、外野が」
カイレンの言葉に子供はムッとした表情を浮かべるも、カイレンの後を追従し続ける。
少し歩いていくとすれ違う人も増え、人通りの多い街道に出た。マフラーや手袋といった防寒具を身につけた人々の流れに逆らっていると、見知った存在に声を掛けられる。
「おや、ライカじゃないか。」
声がした方向に顔を向ければ、ドレスのような装束の上に黒系の上着を羽織った女性が一人、書店の前に佇んでいた。
「今日は休みかぃ、羨ましい限りだねぇ」
「お前もこうやって街中にいるって事は休みなんじゃねぇのか?」
「おや、アタシはただ槐を付き添いに買出しをしてたんだよ。で、槐がルーズリーフ切らしたからそこの書店で買いに行ってるのさ」
そう言って女・コルコヴァードは視線を書店に向ける。カイレンは「ふーん」と、さもどうでもよさそうに返していた。彼の傍にいる子供は、『どうも』とコルコヴァードに挨拶をしているが彼女からの反応は無く、少しふてくされている様子である。
もっとも。
(お前の姿は大抵のヤツに見えてないんだから無理もないだろうがな)
12月25日。この日を境に姿を見せたこの子供の姿を見れる人物は、カイレンが知る限りでは皆無に等しい。少なくとも、今カイレンに声をかけたコルコヴァードや、彼と友好関係を築いている槐は、子供の姿に反応を示さなかった。
彼の傍に佇む子供は、彼にかけられた呪いの“相棒”。彼が呪いにかかっているという確固たる証拠だ。
(ったく……何でこんな事に……)
眉間にわずかな皺を寄せながら、カイレンは呪われた日のことを思い出す。
自分の名を恐る恐る呼んだ男の存在を。ボロボロの布を身に纏った、どう見ても浮浪者としか思えない存在を。
『お前がオレに呪いをかけたのなら―― お前にも呪いをかけ返してやる』
(それもこれも……)
カイレンが何の気なしに路地のある景色に視線を向けると、赤い瞳が僅かに見開かれる。
狭い路地の隙間から見えた、一つの影。
ボロボロの布に覆われながらも確認出来た男の横顔。
「? どうしたのさライカ」
コルコヴァードの声に、カイレンは反応を示さない。路地の方向をジッと見つめる瞳は、徐々に鋭さを強調していく。
確認出来たまるで生気を感じない、追い詰められた男の顔。
それは忘れる事がなかった金の双眸。忘れる筈のない赤と黒の髪。
その男の名は
「ユリウスゥゥウウウゥゥゥゥゥウウゥゥゥゥッ!!!」
怒号という形で口に出した、男の名前。周囲が一瞬ざわついた中、それをも気に留めずカイレンは路地へ走る。ガシャガチャと、上着からいくつもの棒を取り出し一つの武器を組み立てながら。
ユリウスと呼ばれた男は鬼の形相で此方へ向かってきているカイレンの姿を見た途端肩をビクリとはね、慌てて路地の奥へ駆けていく。
『キャハハッ あの人こないだアンタが呪い掛けてって言ったヤツでしょ~? 鬼みたいに追っかけてくるじゃん、笑えるー♪』
ユリウスの傍らに浮遊する若き女性(恐らく彼の相棒なのだろう)は、追ってくるカイレンの姿を見て笑っている。そんな女性の笑い声など耳に入っていないのか、カイレンは一つの武器を携え彼を追い続けた。
パイク
四メートル以上の長大な歩兵用の槍。兵役についていた時代、銃が普及されている中でカイレンが比較的慣れ親しんでいた武器である。
彼が今持っているのはいくつかのパーツに分割された組み立て式の――それも、現在は路地の狭さを考慮して柄のパーツを調節した2メートル前後に調節された――レプリカだが、相手を恐怖に追いやるには充分な得物である。
殺気立つ赤い眼光と共に、その穂先は振り下ろされた。その一撃は、恐怖におののくユリウスの左肩に重く叩きつけられる。
鈍い悲鳴が彼の口から零れるも、カイレンはよろける相手の鳩尾に容赦なく膝蹴りを入れる。ユリウスが繰り出す突風などものともせず、カイレンはパイクを上へ放り投げ、側頭部に回し蹴り。胸部に肘を入れ、落ちてきたパイクをすんなり受け止め、その石突で腹部を突く。ミシリと、嫌な音が聞こえたと同時に、壁に叩きつけられた。ユリウスは受身を取れないまま、新たに背中からきた痛みに声を上げる。
カツ、カツ。怒りに燃える赤の眼光が、パイクを片手にゆっくりと近づく。
浮かぶ表情は悪鬼の如く、黒く醜い殺気を背負いながら、ゆっくりと。
「ヒ……ッ」
『ちょ、ちょっと待って……』
近づいてくるカイレンに怯えるユリウスの傍らで、彼の相棒であろう女性も顔面を蒼白とさせながら口を開く。
『ご、ごめ……こっちもさ、ちょっと悪ふざけがすぎたよ、ね……?』
カイレンの表情は変わらない。
『ほ、ほら、さ……ユリウスも結構ボロボロでしょ? もう半殺しの領域よね、これ以上やったらきっと死んじゃうよ? 人殺しって悪い事よね? 犯罪者になりたくはないよね? ねぇ??』
カイレンの表情は変わらない。
彼は口を開き、言葉を紡ぐ。
今の彼の気持ちを率直にまとめた、至極シンプルなその言葉は
「許さねぇ」
表情を変えずに放たれた言葉と同時に、パイクはまっすぐ振り下ろされた。
重い一撃が、ユリウスを襲う――かと思われたが
「おま……! 何やってんだ!!」
制止の声とほぼ同じく、カイレンに衝撃が伝わる。
声と衝撃の主は、パイクを振り下ろす腕にしがみつき、動きを止めにかかっていた。正体を横目で確認すれば、見慣れた赤の双眸と視線がかち合う。
リオン=リヒター。
彼女は頬に一筋の汗を垂らしながら、彼の腕を押さえ込んでいた。
「な……何しやがんだっ 放せ!」
「放すわけないよ! 今放したらアンタ、間違いなくソイツどつきに行くだろ?!」
噛み付くような反応を見せるカイレンに対して、リオンは必死にしがみつく。彼等の前にいたユリウスは呆然としており、傍らにいた相棒も『え、何?』と混乱している。
ポカンとしているユリウスの姿をカイレンの赤目が捉えると、再び眼光が鋭さを帯びる。
「――コイツはブチのめしておかねぇと俺の気が収まらねぇんだよっ だから」
「放せ!」そう言ってカイレンはリオンの制止を振りほどき、再びユリウスにパイクを斜めに振り下ろそうとする。
その瞬間、赤の双眸は見開かれ、身体がビクリと痙攣を起こした。
息が、出来ない。
「……ぁ、っ……!」
苦しげに、首を押さえる。脂汗が滲み、額から頬へ伝っていく。カイレンの様子が変貌したのを正面で見て、ユリウスは「今だ」と路地の奥へ走っていく。
(さっき教会に行ったばかりだっていうのに……ッ!!)
『あーあ。また教えに背いた“罰”をくらって……信心が浅いからですよ、おバカさん。』
カイレンは半ば反射的に薄ら笑いを見せる相棒を睨みつけるが、現状に変化がもたらされるわけではない。
よろける身体を、携えていたパイクを杖代わりにすることで支え、右手は自身の上着の内ポケットに伸びる。その中に収められた金属の塊を乱雑に掴むと、少しずつ症状が緩和されていった。
荒い呼吸を整えた頃にはもうユリウスの姿はなく、悔しげに歯軋りした後にダンッと近くの壁に拳を叩きつける。
「クソが……ッ」
「『クソが……ッ』じゃないよ、このアホが!」
「っ でぇッ?!」
怒りの声と同時に、カイレンの側頭部に鈍い衝撃が伝わる。見ればリオンが怒りの感情をあらわにしながら、彼を容赦なく殴っていた。
軽く呻きながら殴られた箇所をさするカイレンに対し、リオンは吼える。
「ヒトの忠告を無視しやがって! あのまま行ってたら相手がどうなってたか判ってんのか? あぁっ?!」
『いや、この人多分判っててやってますんで』
「うるせぇ、外野は黙ってろ!」
「誰が“外野”だって?! もう殆ど当事者にいるだろうが私は!!」
「いや、今のお前に言ったんじゃねぇよ! ――ああー…」
カイレンはイラつきながら己の前髪を搔き揚げる。
「アイツは完膚なきまでに叩き潰さねぇと俺の気が収まらないんだよ」
「――俺に呪いをかけた張本人だからな……」そう呟き、胸を押さえるように服を掴む。
「“呪い”……?」
彼の呟きを聞き漏らさなかったリオンは、一つの単語を拾う。カイレンの赤い視線が逸らされた。
「何があったかは知らないけど、詳しい話は聞かせてもらうよ? 良いね?」
「…………ああ……」
******************************
1月20日
カイレン・テンロウ
自分に呪いをかけた元ルームメイトを発見し、半殺しにまで追い詰めるも、
リオン=リヒターの介入や自身の呪いの発作により取り逃がす
※リオンさんお借りしました!
寒々しい気候の下、モノクロの装束を身にまとった青年が教会から姿を現した。灰の髪は長く一つに結われ、鋭い赤の双眸がその景色に激しい違和感を与えていく。
『本当にただ入って適当に佇んで出て行くだけですね、貴方。』
そう言って彼の後ろを追従する子供が一人。黒の神官服に身を包んだ子供は、どことなく青年の面影がある顔立ちをしている。
子供の発言に舌打ちをしながら、青年・カイレンは言う。
「……うっさい黙れ、実際あんなの信じてないんだからしょうがねぇだろ。」
『む、本当に罰当たりな人ですね。そんなんだから“罰”を与えられるのですよ』
「言ってろ、外野が」
カイレンの言葉に子供はムッとした表情を浮かべるも、カイレンの後を追従し続ける。
少し歩いていくとすれ違う人も増え、人通りの多い街道に出た。マフラーや手袋といった防寒具を身につけた人々の流れに逆らっていると、見知った存在に声を掛けられる。
「おや、ライカじゃないか。」
声がした方向に顔を向ければ、ドレスのような装束の上に黒系の上着を羽織った女性が一人、書店の前に佇んでいた。
「今日は休みかぃ、羨ましい限りだねぇ」
「お前もこうやって街中にいるって事は休みなんじゃねぇのか?」
「おや、アタシはただ槐を付き添いに買出しをしてたんだよ。で、槐がルーズリーフ切らしたからそこの書店で買いに行ってるのさ」
そう言って女・コルコヴァードは視線を書店に向ける。カイレンは「ふーん」と、さもどうでもよさそうに返していた。彼の傍にいる子供は、『どうも』とコルコヴァードに挨拶をしているが彼女からの反応は無く、少しふてくされている様子である。
もっとも。
(お前の姿は大抵のヤツに見えてないんだから無理もないだろうがな)
12月25日。この日を境に姿を見せたこの子供の姿を見れる人物は、カイレンが知る限りでは皆無に等しい。少なくとも、今カイレンに声をかけたコルコヴァードや、彼と友好関係を築いている槐は、子供の姿に反応を示さなかった。
彼の傍に佇む子供は、彼にかけられた呪いの“相棒”。彼が呪いにかかっているという確固たる証拠だ。
(ったく……何でこんな事に……)
眉間にわずかな皺を寄せながら、カイレンは呪われた日のことを思い出す。
自分の名を恐る恐る呼んだ男の存在を。ボロボロの布を身に纏った、どう見ても浮浪者としか思えない存在を。
『お前がオレに呪いをかけたのなら―― お前にも呪いをかけ返してやる』
(それもこれも……)
カイレンが何の気なしに路地のある景色に視線を向けると、赤い瞳が僅かに見開かれる。
狭い路地の隙間から見えた、一つの影。
ボロボロの布に覆われながらも確認出来た男の横顔。
「? どうしたのさライカ」
コルコヴァードの声に、カイレンは反応を示さない。路地の方向をジッと見つめる瞳は、徐々に鋭さを強調していく。
確認出来たまるで生気を感じない、追い詰められた男の顔。
それは忘れる事がなかった金の双眸。忘れる筈のない赤と黒の髪。
その男の名は
「ユリウスゥゥウウウゥゥゥゥゥウウゥゥゥゥッ!!!」
怒号という形で口に出した、男の名前。周囲が一瞬ざわついた中、それをも気に留めずカイレンは路地へ走る。ガシャガチャと、上着からいくつもの棒を取り出し一つの武器を組み立てながら。
ユリウスと呼ばれた男は鬼の形相で此方へ向かってきているカイレンの姿を見た途端肩をビクリとはね、慌てて路地の奥へ駆けていく。
『キャハハッ あの人こないだアンタが呪い掛けてって言ったヤツでしょ~? 鬼みたいに追っかけてくるじゃん、笑えるー♪』
ユリウスの傍らに浮遊する若き女性(恐らく彼の相棒なのだろう)は、追ってくるカイレンの姿を見て笑っている。そんな女性の笑い声など耳に入っていないのか、カイレンは一つの武器を携え彼を追い続けた。
パイク
四メートル以上の長大な歩兵用の槍。兵役についていた時代、銃が普及されている中でカイレンが比較的慣れ親しんでいた武器である。
彼が今持っているのはいくつかのパーツに分割された組み立て式の――それも、現在は路地の狭さを考慮して柄のパーツを調節した2メートル前後に調節された――レプリカだが、相手を恐怖に追いやるには充分な得物である。
殺気立つ赤い眼光と共に、その穂先は振り下ろされた。その一撃は、恐怖におののくユリウスの左肩に重く叩きつけられる。
鈍い悲鳴が彼の口から零れるも、カイレンはよろける相手の鳩尾に容赦なく膝蹴りを入れる。ユリウスが繰り出す突風などものともせず、カイレンはパイクを上へ放り投げ、側頭部に回し蹴り。胸部に肘を入れ、落ちてきたパイクをすんなり受け止め、その石突で腹部を突く。ミシリと、嫌な音が聞こえたと同時に、壁に叩きつけられた。ユリウスは受身を取れないまま、新たに背中からきた痛みに声を上げる。
カツ、カツ。怒りに燃える赤の眼光が、パイクを片手にゆっくりと近づく。
浮かぶ表情は悪鬼の如く、黒く醜い殺気を背負いながら、ゆっくりと。
「ヒ……ッ」
『ちょ、ちょっと待って……』
近づいてくるカイレンに怯えるユリウスの傍らで、彼の相棒であろう女性も顔面を蒼白とさせながら口を開く。
『ご、ごめ……こっちもさ、ちょっと悪ふざけがすぎたよ、ね……?』
カイレンの表情は変わらない。
『ほ、ほら、さ……ユリウスも結構ボロボロでしょ? もう半殺しの領域よね、これ以上やったらきっと死んじゃうよ? 人殺しって悪い事よね? 犯罪者になりたくはないよね? ねぇ??』
カイレンの表情は変わらない。
彼は口を開き、言葉を紡ぐ。
今の彼の気持ちを率直にまとめた、至極シンプルなその言葉は
「許さねぇ」
表情を変えずに放たれた言葉と同時に、パイクはまっすぐ振り下ろされた。
重い一撃が、ユリウスを襲う――かと思われたが
「おま……! 何やってんだ!!」
制止の声とほぼ同じく、カイレンに衝撃が伝わる。
声と衝撃の主は、パイクを振り下ろす腕にしがみつき、動きを止めにかかっていた。正体を横目で確認すれば、見慣れた赤の双眸と視線がかち合う。
リオン=リヒター。
彼女は頬に一筋の汗を垂らしながら、彼の腕を押さえ込んでいた。
「な……何しやがんだっ 放せ!」
「放すわけないよ! 今放したらアンタ、間違いなくソイツどつきに行くだろ?!」
噛み付くような反応を見せるカイレンに対して、リオンは必死にしがみつく。彼等の前にいたユリウスは呆然としており、傍らにいた相棒も『え、何?』と混乱している。
ポカンとしているユリウスの姿をカイレンの赤目が捉えると、再び眼光が鋭さを帯びる。
「――コイツはブチのめしておかねぇと俺の気が収まらねぇんだよっ だから」
「放せ!」そう言ってカイレンはリオンの制止を振りほどき、再びユリウスにパイクを斜めに振り下ろそうとする。
その瞬間、赤の双眸は見開かれ、身体がビクリと痙攣を起こした。
息が、出来ない。
「……ぁ、っ……!」
苦しげに、首を押さえる。脂汗が滲み、額から頬へ伝っていく。カイレンの様子が変貌したのを正面で見て、ユリウスは「今だ」と路地の奥へ走っていく。
(さっき教会に行ったばかりだっていうのに……ッ!!)
『あーあ。また教えに背いた“罰”をくらって……信心が浅いからですよ、おバカさん。』
カイレンは半ば反射的に薄ら笑いを見せる相棒を睨みつけるが、現状に変化がもたらされるわけではない。
よろける身体を、携えていたパイクを杖代わりにすることで支え、右手は自身の上着の内ポケットに伸びる。その中に収められた金属の塊を乱雑に掴むと、少しずつ症状が緩和されていった。
荒い呼吸を整えた頃にはもうユリウスの姿はなく、悔しげに歯軋りした後にダンッと近くの壁に拳を叩きつける。
「クソが……ッ」
「『クソが……ッ』じゃないよ、このアホが!」
「っ でぇッ?!」
怒りの声と同時に、カイレンの側頭部に鈍い衝撃が伝わる。見ればリオンが怒りの感情をあらわにしながら、彼を容赦なく殴っていた。
軽く呻きながら殴られた箇所をさするカイレンに対し、リオンは吼える。
「ヒトの忠告を無視しやがって! あのまま行ってたら相手がどうなってたか判ってんのか? あぁっ?!」
『いや、この人多分判っててやってますんで』
「うるせぇ、外野は黙ってろ!」
「誰が“外野”だって?! もう殆ど当事者にいるだろうが私は!!」
「いや、今のお前に言ったんじゃねぇよ! ――ああー…」
カイレンはイラつきながら己の前髪を搔き揚げる。
「アイツは完膚なきまでに叩き潰さねぇと俺の気が収まらないんだよ」
「――俺に呪いをかけた張本人だからな……」そう呟き、胸を押さえるように服を掴む。
「“呪い”……?」
彼の呟きを聞き漏らさなかったリオンは、一つの単語を拾う。カイレンの赤い視線が逸らされた。
「何があったかは知らないけど、詳しい話は聞かせてもらうよ? 良いね?」
「…………ああ……」
******************************
1月20日
カイレン・テンロウ
自分に呪いをかけた元ルームメイトを発見し、半殺しにまで追い詰めるも、
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プロフィール
HN:
小慶美(シャオチンメイ)
年齢:
34
HP:
性別:
女性
誕生日:
1990/03/09
職業:
一応学生
趣味:
色々
自己紹介:
幼い頃からの任●堂っ子。
闇の探検隊をプレイ中。
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